広告運用におけるホワイトリスト配信とは?ブロックリストとの違いや注意点も解説
2025/04/22
寄稿記事
寄稿提供:Momentum株式会社
トラブルを最小限に抑えた広告運用を実現するために、「ホワイトリスト配信」を活用する事例も多くなっています。ホワイトリスト配信なら信頼のおける高品質なコンテンツの広告枠に絞って広告を出稿できるため、ブランド毀損やアドフラウド(広告詐欺)の被害に遭いにくいのがメリットです。
この記事では、広告運用におけるホワイトリスト配信とはなにか、ブロックリストとの違いや注意点を解説いたします。
ホワイトリスト(セーフリスト)とは
広告運用におけるホワイトリスト配信とは、広告の配信先をドメインや広告枠など、特定プレースメントに指定する方法を指します。高品質な掲載先だけを限定するため、セーフリストや許可リストとも呼ばれている手法です。
ホワイトリストの対応範囲
ホワイトリスト配信の対応範囲は極めて限定的で、ホワイトリストに掲載されてないサイトや広告枠へは広告が出稿されません。Web広告におけるホワイトリスト配信では、Webサイト(ドメイン)、階層(ディレクトリ)、ページ(URL)単位などそれぞれで指定できる仕組みになっています。
ホワイトリスト配信の対応範囲を限定的な順に並べると、「ページ(URL)>階層(ディレクトリ)>Webサイト(ドメイン)」となります。いずれも自社のニーズや配信広告に応じて細かく調整できるため、限定的な配信先で費用対効果を高めたいシーンに役立ちます。
ホワイトリストとブロックリストの違い
ホワイトリスト配信とは別に、「ブロックリスト」を活用した手法も存在します。ホワイトリストが配信先を限定する運用方法なら、ブロックリストは配信しない場所を限定する手法です。
具体的には、以下のような違いがあげられます。
「ホワイトリストとは、掲載先を許可ベースで厳選する手法」、「ブロックリストとは、掲載先を除外ベースで厳選する手法」と言えます。
ブロックリストは構造的に日々コンテンツが追加されるため、ホワイトリストと違い、短期間で管理負担が倍増する事例も少なくありません。
一方で、ホワイトリストなら極端にリストをチェックする必要がなく、管理数の増減もなめらかなため、管理する手間を抑えられるのが両者の違いです。
ホワイトリストとブロックリストのメリットデメリット
ホワイトリストとブロックリストには、以下のようなメリット・デメリットが存在します。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえたうえで、ホワイトリストとブロックリストのどちらかを作成する場合は、対策したい媒体に合わせて決めると良いでしょう。
またYouTubeのようなコメント込みのコンテンツでは、動画内容に問題がなくともコメントでブランド毀損が行われている事例も少なくありません。リストだけでは対応ができないため、違反コメントなどでプラットフォーム側に報告する処置が必要になります。
ホワイトリスト配信での注意点
ホワイトリスト配信を行うことで広告運用のリスクを低減できる一方で、いくつかの注意点があります。
特定のプレースメントへの配信によるビジネス縮小のリスク
ホワイトリスト配信は特定のプレースメントに限定する手法のため、ビジネス縮小のリスクがあります。具体的には、配信先の媒体が限定的になるため、スケールさせることができず、機会損失が生まれる可能性があります。
また、許可コンテンツを厳選していく性質上、似通ったものを選定しやすいため、同一ユーザーへ広告を配信する可能性も高まります。その結果、クリック率が落ち込んでしまったり、クリック単価が上昇したりと広告運用のコストが増加してしまうリスクもあります。
加えて、同一広告が表示され続けるユーザー目線では、「しつこい広告だ」と不快感を抱かれてしまう要因になる可能性も否定できません。ビジネス拡大を狙うはずの広告が、逆に縮小させるリスクを生み出してしまいます。
自社でホワイトリスト作成する際の工数増加
自社でホワイトリストを作成するには、配信先をチェックしてリストに追加していく手間がかかります。そのうえ、リストに登録されていない有望な広告チャネルや、プラットフォームが公開されたときにリストへ追加する手間も発生します。
結果として、広告運用を行うための工数が増加してしまうのは避けられません。
また、一度ホワイトリストに登録したからといって、そのコンテンツがいつまでも健全とは限りません。場合によってはコンテンツ内容が大きく変わっていたり、掲載されていたコンテンツが変動していたりするため、ホワイトリスト対象のコンテンツも逐次チェックする手間がかかります。
ホワイトリスト配信で広告運用を最適化するには、高品質なリストの準備と継続的な更新作業が必要不可欠です。しかし、高品質なホワイトリストを制作するには大きな工数や手間がかかるため、自社のリソース次第ではホワイトリストを制作できない可能性があります。
そのようなデメリットが気になる場合、高品質なリストの更新に対応した「アドベリフィケーションツール」の導入が考えられます。
アドベリフィケーションツールとは、「不適切なサイトへ広告が表示されていないかのチェック、配信除外(ブランドセーフティ)」「Botなどによるクリック水増しの検知と無効化(アドフラウド)」「人の視認性を踏まえた表示エリアのチェック(ビューアビリティ)」などの機能が搭載されています。
広告運用におけるさまざまな管理工数を自動化・効率化できるため、近年では世界的に導入が進められているツールです。
一部のアドベリフィケーションツールではホワイトリスト配信にも対応しており、日夜機械判定によるチェックと、プロによる目視確認が行われ、高品質なリストをリアルタイムで利用できます。
そのため、アドベリフィケーションツールのホワイトリスト配信なら、管理工数の手間を抑えつつ、広告の運用効果を最大限に発揮しやすいメリットがあります。
ホワイトリスト配信まとめ
広告運用におけるホワイトリスト配信は、安全性の高いコンテンツに限って広告を出稿するためブランド毀損などのトラブルが起きにくい一方で、類似したコンテンツに出稿が偏りスケールしづらくなってしまう注意点も存在します。
また、リストの掲載先が常に安全だとは限らないため、適宜チェックをしなければならない点も注意です。
自社の広告配信状況や戦略に合わせて、適切な対応をご検討ください。